構造物の管理手法として予防保全と事後保全の考え方がありますが、 本四連絡橋は予防保全の思想で管理を行っています。この予防保全は 構造物が性能低下を引き起こす前の劣化初期段階で補修を行い、経済的 に長寿命化を図る方法です。一方、事後保全は劣化が進んだ段階で補修 を行うもので、一般的に行われている対症療法的管理です。
米国にはブルックリン橋(1883年完成)を初め、百歳から百二十歳を超えた
高齢吊橋があります。今でもニューヨークのマンハッタンへ交通路として現役
で活躍しています。
図は橋の補修費の累積と建設費との関係を示したもので、
1975年以降急激に増加しています。これは必要なメンテナンスを行わなかった
ためで、既に建設に要した費用の2倍が投入されています。日常の管理を
おろそかにした結果であり、我国の橋梁管理の貴重な教訓となっています。